第1話

3/21
前へ
/110ページ
次へ
都立青瀾学園高等学校は他のところと比べて、特に難関などへの大学進学率を気にする進学校ではないため、とりわけ部活動が盛んである。 運動部は過去の実績がある部が多く、この学校に来る新入生の大半は、各々の魂を打ち込める部のもと汗を流す。 一方、文化部も種類は運動部のそれに負けないくらい設けられており、活動も活発である。 特に、毎年一回開催される文化祭は地元でも有名で、広報活動にも毎年熱が入っている。 そんな環境の中で、僕は未だ無所属の帰宅部であった。 授業が終わって部活動の時間になると、僕は今日のようにこうして屋上でただぼんやりとしている。 高校一年生のときも友達に誘われ、部活に入部するきっかけがあったが、僕はそれを断り続けた。 以来、二年生になった今でも部活動には入っていない。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加