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「一体今このときだけ頑張って、何になるんだろうな。」
何にもない空中に向かって呟いてみる。
一体頑張ったところで何になるんだろうか?―――
僕はいつもこの疑念を胸に漂わせていた。莫大な年月を要する人生に、この高校生活、ひいてはこの一日一日はどれほどの価値が見い出せるのだろうか。
僕の精力をこのひとときに注ぐことが僕の周りの世界の何を形作っているのだろうか。
晴れない疑念は膨らむ一方で、次第に勉強にも意欲が湧かなくなり、とうとう友達の輪からも離されてしまっていた。
「……帰るか。」
内実の曖昧な長考を断ち切って、僕は屋上を後にした。
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