たりない一人

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「風間くん、こっち、こっち!!」 ネネちゃんが手を振りながら僕の名前を呼んだ。 「あー良かった!間に合ったね。ギリギリまで仕事だったんだ。」 「大変だったね。みんな待ってるよ、行こう!!」 そう言うとネネちゃんは後ろを向いて中へ走っていった。 少しだけ髪が伸びていた。 それ以外はあまり変わっていない。 なんだか、ちょっとだけ嬉しかった。 僕もネネちゃんに続いて中へ入っていく。 ここもなにも変わっていない。 僕達の始まり ふたば幼稚園のひまわり組 「もう20年も過つのか…」 中に入ると、まさお君とぼーちゃんがかけよって来た。 「久しぶり、風間君」 「久しぶり。でも幼稚園で同窓会なんてなんか変だね。」 「ここがみんなの思い出の場所だもん!」 「そうだね。」 本当に何も変わっていなかった。 周りを見渡してみても、まさお君もぼーちゃんも、僕が使っていた机も棚も、全部…
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