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僕はしんのすけに向かって手を合わせる。
その時
ふと
しんのすけの姿が見えた
あの日のまま変わらない
その姿で
「しんのすけ…」
思わず呼びかける。
「久しぶりだな…会いたかった‥ぞ…」
満たされた僕の心とは裏腹に、何かが…
僕の頬をつったっていく。
なみ……だ…?
どうして……?
…本当は
…わかってたんだ
目の前にいるのは本物のしんのすけじゃ…なくて
僕の弱さが作り上げた幻であることくらい…
ただ
認めたくなかったんだ
僕はまだ、しんのすけは
“ココ”に居るんだと思いたかった
アイツはバカで…どうしようもない奴だった…
けど…
そんなことの前に、アイツは…僕の一番の親友だったんだ
涙がようやく止まったころには、もうしんのすけの姿はなかった。
「…しんちゃんは、もうココにはいないんだね」
しんのすけの事を認めたくなかったのは、僕だけではなかったらしい。
みんなみんな……泣いていた。
「あの…みなさん、これ…」
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