若木の演奏

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昼休み、屋上に上がって昼を取る。 椅子には座らずに、入り口があるでっぱりの後ろの日陰で食べる。 皮肉にも今の気分にもあうような日陰で。 「大体未来から来れんのかって話だよな」 「まぁ…タイムトラベルって言葉はあるけど、マシンとかそういうのは存在しないからな。 でもそれはあくまで今はないってだけだからな」 「じゃぁ未来じゃありえるってことか!?」 「俺じゃ確かなことは言えないさ。でも未来は無数に存在してるわけだからな。 廃坑してる世界、発達した世界もあるってこと」 なんだか深い話をされても、俺にはしっくりこないわけで… わからないことが多すぎてご飯の味もわからない。 だけど腹は空いてるわけで口には運ばれていく。 隣で拓夢は手持ちのメモ帳に何かを書いている。 俺はそれを横目で見ていた。 「…いつも思ってたんだけどそれって何書いてんだ?」 「ん?あぁ、俺が疑問に思ったナゾを書いてるんだ。自分なりの答えを書いていくんだ」 「へぇー…なんかすげぇな」 ん、とメモ帳を手渡されとりあえず書いていたページを見させてもらうことに。
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