芽の指揮

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春。清々しい朝だ。 花も芽吹き、桜も咲き誇る季節。 新しい制服をまとって登校する新入生。 春は何か起こる季節。 いい事も悪いことも。 そんな春に淡い期待を背負ってる、一人の男が居る。 それが俺、出雲愁吾(いずもしゅうご)。 年度も変わり、俺も進級して中2になった。 クラス替えをし、新しく見る顔や見慣れた顔がちらほらみえる。 心機一転ってやつかな、俺の気持ちは軽やかだった。 期待と緊張が入り混じっているけれども、それでも期待のほうが大きい。 その期待はもう少しでやってくるからなのかもしれない。 「はい、座ってー」 ただつまらないのは、担任が変わらなかったことだ。 少し長めのSHRだ、まだ新学期が始まり数日しか経っていないからだ。 それにクラスは騒ぎ立ててた。 今だってソワソワを隠し切れてない奴もいる。 それは俺も期待していること。
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