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―トントン
…返事がない。いないのか?
「団長…入りますよ」
とりあえず、言い訳ができるように、団長とつけてドアを開けてみた。
シンプルかつ豪華でふわふわそうなベッド、テーブルにイス、ソファーがあり窓からは海が見えていた。
女の子の部屋にしては、フリフリとピンクぽくはないようで、どちらかといえばさっぱりした性格の姫なのかもしれない。
本人はいないようなので部屋全体を見回す。
「春翔、誰かに見つかったらいけないし、そろそろ出るよ」
「あぁ。
ついでに騎士寮に帰る前に団長の執務室にもよってみようぜ」
「はぁ。了解」
何故か呆れたような顔をする翠。なんでだ?
俺達は、誰にも見られないように姫の部屋を出ると姫の部屋の近くにあるという団長の執務室に向かった。
団長は姫の第一騎士、常にに姫についている騎士だ。まぁ、翠と同じだな。
俺が翠を振り回しているのは、よく分かっているつもりだ。だから悪いとは思うけど、これが俺の性格だからしょうがない。
もう、ちょっとの間つきあってもらおう。
団長の執務室は、姫の部屋から2部屋と本当に近かった。おそらく何かあった時にすぐいけるようにしてあるのだろう。
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