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見つめ過ぎていたのだろう。
突然彼は笑顔で会話していたのを中断してこちらへと歩いてきた。
「なぁ。あんたなんて名前?」
突然質問。なんかナンパみたいだ。
「おいおい、春翔何ナンパしてるんだよ」
呆れたような顔をしながら黒髪で肩くらいの髪を後ろでまとめた長身の男が春翔というらしい赤髪の後ろからやってくる。
「翠!…ナンパって。俺が男相手にナンパなんてするわけないだろぉが。目があったから話しかけただけだつぅーの」
赤髪が春翔(ハルト)黒髪が翠(ミドリ)というらしい。
「春翔がごめんね。
ほら、びっくりしてるじゃないか。
で、名前なんて言うの?」
結局は、春翔と同じことを聞いてくるので、春翔が翠のほうを軽く睨みながら
ボソボソとなんで俺だけ…とか言っているが、聞こえてないことにしておこう。
「わ…、僕は耶麻那 瑠輝です。よろしく」
「俺は、環凪(カンナ)翠でこっちは瀧(タキ)春翔だよ。よろしくね!俺たちは18歳なんだけど、君は何歳?」
「僕は17歳だよ。歳近いね!良かったら仲良くしてね」
周りを見渡すと新人騎士といえども様々な年齢のものがいるようだ。
あきらかに新人に見えない貫禄のありそうな人までもが混じっている。
本当に新人か?
「なぁ、なぁ~」
ついさっきまで不貞腐れていた春翔が機嫌が直ったのか話しかけてきた。
「俺のことは、春翔でも春 でも好きに呼んでくれていいから。俺も瑠綺って呼ぶな。翠のことも呼びすてでいいぞ。なぁ、翠?」
「あぁ、構わないよ。俺も瑠輝って呼ぶね」
「うん。春に翠、よろしくな!二人は元から仲がいいの?なんか今知り合ったって感じじゃないけど」
「あぁ、俺と翠は幼なじみなんだ。俺達が住んでたところは、この国じゃなくて隣のティアーナ王国出身なんだ」
「へぇ。僕はこの国出身だよ。何度かティアーナ王国には行ったこともあるけどすごく緑が綺麗で、作物が豊かだったな」
「そうなんだ。旅行かなんかで来たの?」
興味深そうに聞いてくる翠
「うーん、そうだね。旅行…かな」
本当は、ティアーナ王国に招待されて行ったのだが、そんなこと言えるわけがない。
彼らは、私の正体を知らないのだから…
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