☆1・華心の騎士団

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拓人は一瞬私のほうを見て驚いたのか、怒っているのかぴくっとしたが顔には、あまり出さなかった。 やはりばれてしまった。彼が来た時点で、お終いだとは思ったのだけど、 もしかしたらばれないかもという甘い期待を多少もっていた。 「あいつ…嫌あの人が騎士団長かぁ。たしかに凄そうだな、なぁ翠」 「あぁ。そうだな。1回手合わせしてみたいな」 驚いた。私の横で、拓人をあいつ呼ばわりしたばかりか、手合わせしたいだなんて… 「瑠輝、こいつ。強いんだぞ」 と翠を指指していう春。指を指してはいけません!じゃなくて、 「翠のほうが強いんだ。なんとなく春のほうが強いかなと思ってた」 「…まぁ、そう強さは変わらないんだけどね。 ―立場上多少俺のが強くないと困るけど…」 最後のほうは、小さい声でボソッと何か呟いていたがよく聞こえなかった。 「そうなんだ。でもあの人、眞揆団長も強いからね」 「なんで、そんなこと知ってるんだ?今初めて見たばっかりだろ」 不思議そうな顔でわたしわを見る春。 「そんなの、この国にいる人なら誰でも知ってるよ。団長だしね」 多少嘘だが、ほぼ本当のことだ。民にも知られているくらい拓人は強い。 だが名前はさすがに知らないかもしれないが。
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