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拓人がチラッと私のほうを睨むように見てからまた話しだした。
「それで、みんな知っての通り、うちの団は姫をお守りするための団なわけだ。だから、ここで皆に姫を紹介しておこうと考え、姫にもお伝えしておいたのだが忘れていたのか、わざとか姫は今朝から姿をけした。
とは言ってもどこにいるかは把握しているから安心してくれ。紹介はまた後日ということで今は解散にしたいと思う。
各自騎士寮の部屋を綺麗に片付けておくこと。
18時30分から親睦会を食堂で行うから、遅れずにこいよ。食堂は3つの騎士団それぞれに1つずつあるからな。
あと、新人騎士の耶麻那は1時間後私の執務室まできてくれ。
それでは、解散!」
話が終わると皆一気に部屋から出て行く。私もその流れにのって歩いていると後ろから肩を叩かれた。
春と翠だ。
「瑠輝、勤務早々からお呼びだしって何したんだよ」
「え、特に何もしてないけど?本当になんだろうね」
とりあえず、とぼけておこう。
「ふ~ん、てか姫の名前って瑠綺那様だろ?なんかお前名前が似てるな!
しかし、あの団長も大変だな。あの人が姫に1番近いんだろ。ありゃぁ、そうとい振りまわされてそうだぜ。」
「…そうでもないと思うけど」
小さい声で否定しておく。
振りまわしてるのかな。ごめんね、拓人。
「俺は、なんとなく団長の苦労が分かるな」
と春を苦笑いしてみる翠。
どういう意味だろう?
「あ~、もうその話はやめ。寮に行こうぜ。」
投げやりに春がいい歩きだした。
「部屋誰と一緒だろうな?」
「さぁなぁ…たしか3人部屋だよな」
忘れてた部屋問題。
私には、自室があるから寮などいらないが寮にいないんじゃ、怪しまれてしまう。自室を開けておくしかないだろう。
あとで拓人に相談しよう。同室の2人が誰かが問題なんだよな。
私がこんなに悩んでいるとも知らず、2人はどんどん歩いて行く。
訓練室から歩いて10分ほどの場所に華心の騎士団の寮があった。
入り口を入ると右手に受付のようなとこがある。
「瀧春翔、環凪翠、麻那瑠輝と言いますが、それぞれの部屋の鍵を下さい」
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