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自分の部屋を出た後、隣にあった扉をノックする。初め村に着いたとき、三人並んで部屋をとったためすぐ隣というわけだ。
ドアをノックしたが返事がない。まだ気を失ってんのかなと思い若干心配になる。
また後で来ようかな?
そう思いノックしていた扉を背にして自分の部屋に帰ろうと思った矢先、
「すみません、お待たせしました」
リリアが急いで扉を開ける。勢いよくドアを開けたため、俺は避けることもできずドアという物体に後頭部を打ち付けた。
「いったー!」
「あ、ごごごごめんなさい!」
後頭部を両手で抑え、痛みを必死に堪える。そんな俺にリリアは必死で謝る。その謝り方を見る限り元気そうだ。
髪が濡れてるとこを見ると風呂上がりかな? いかん、妄想はやめておこう。
「全く、心配したよ。まさかあんな魔法を使えるなんてさ」
「シンさんて闇属性のこと知ってるのですか?」
「まあちょっとな。昔、恐いおっさんに叩き込まれて無理矢理覚えさせられたんだ」
「悪かったな、恐いおっさんで」
噂をすればなんとやら、背後からその恐いおっさんの声が聞こえ、心の中で謝罪した。
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