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「グールが大量に出現した時ぐらいだな。あれには正直驚いたよ」
「だったらなんで助けてくれなかったんだよ」
「あれはお前達の任務だろ? だから手出しはしなかったんだ。魔族が出てきた段階でお前達の任務は終わった、だからあの状況で出ていった、というわけだ」
それならもう少し早いタイミングで出てきてくれよ……。
俺はそう言いたかったが、この人の性格はよく知っている。それは説明が面倒臭くなると、適当に話を逸らすということ。
あの魔族は何者なのかとか、いろいろ聞きたいことはあったけど、適当に流されるのがオチなのでまた今度にすることにした。
「そうだ! リリア君……だったかな。少し話をしたいんだがいいかな?」
その言葉にリリアは俯き、少しばかりの時間を取ったあと、どうぞと言って部屋の扉を開けた。
「すまんな。シン、お前はここで待ってろ。男が女の子の部屋に堂々と入るものではないからな」
アンタ入ってるだろ……。
俺は心の中でツッコミつつ、どうせ闇属性についてだろうと思い待つことにした。
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