任務終了

10/19
前へ
/558ページ
次へ
「だが闇に手をだしたのはよくない。あれは己を滅ぼすぞ?」 ブライトがそう言った途端、リリアは鋭い眼光でブライトを睨み付けた。 「私のこと、何も知らないで知ったようなこと言わないでください! 私がこの十年間、どんな気持ちで生きてきたか何も知らないくせに」 そこにはいつもの大人しい、優しいリリアはいなかった。リリアの瞳には、明らかに憎しみの炎が灯っている。 「墓地で使ったあの魔法……本来なら、君は命を落としていたのかも知れないんだぞ? そこまでして力を求めるのか」 気持ちが高ぶってきたのだろう、ブライトも若干声を張る。 「あの時、私が《虚無闇弧》を使わなければ、ディリーさんは確実に死んでいました。せっかくできた大切な友達を……私はもう失いたくないんです」
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1553人が本棚に入れています
本棚に追加