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「だが闇に手をだしたのはよくない。あれは己を滅ぼすぞ?」
ブライトがそう言った途端、リリアは鋭い眼光でブライトを睨み付けた。
「私のこと、何も知らないで知ったようなこと言わないでください! 私がこの十年間、どんな気持ちで生きてきたか何も知らないくせに」
そこにはいつもの大人しい、優しいリリアはいなかった。リリアの瞳には、明らかに憎しみの炎が灯っている。
「墓地で使ったあの魔法……本来なら、君は命を落としていたのかも知れないんだぞ? そこまでして力を求めるのか」
気持ちが高ぶってきたのだろう、ブライトも若干声を張る。
「あの時、私が《虚無闇弧》を使わなければ、ディリーさんは確実に死んでいました。せっかくできた大切な友達を……私はもう失いたくないんです」
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