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「尊敬してる人物のことなのによくそんな冗談を言えるもんだ」
俺が呆れ顔でそう言った。
その後、俺とディリーの間に会話は無かったが、ディリーに聞いてみたいことが頭の中に出てきたので、思い切って聞いてみることにした。
「そういえばさ、何でディリーはうちの親父のこと尊敬してんだ? 将軍なら他にもいるのにさ」
その言葉に、ディリーは少し腕を組む。そして口を開き始めた。
「あの人はさ、オレ達平民の恩人なんだ。あの人のお陰で、オレは騎士団の育成学校に通えるんだ」
そう、少し前までアズラエル騎士団の候補生になれるのは貴族だけという決まりがあった。
しかし、今から八年前のこと、アズラエルに魔物が進行してくるという大事件があった。
大地が震えるほどの圧倒的な魔物の数に、アズラエル騎士団は劣勢をしいられる。だがそこで魔物の軍勢に臆することなく、一人の騎士が魔物の中に飛び込んだ。
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