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そう、その飛び込んだ騎士こそ俺の父、ブライト・オルターナだった。瀕死の重傷を負いながらも、なんとか魔物の軍勢を退けた彼は皆から称えられ、いつしか将軍の地位を獲得していた。
その後、国王の元へ招かれられ望みを一つ叶えてやると言われたらしい。そこで俺の父は、貴族と平民の違いを無くし、ともに魔物のに立ち向かっていくこと、って言ったらしい。
それ以来、完全に格差を埋めることはできないでいるものの、その差は確実に埋まってきている。
「あの人が王様の前でそう言ってくれたお陰で今の俺があるからな」
ディリーは満足気に話す。
俺達の会話が再び途切れたのを見計らったのかはわからないが、会話が途切れたと同時に、話を終えた親父がリリアの部屋から出てきた。
「……どんな話してたんだよ」
俺は、リリアが部屋の外に聞こえる程の声を出す会話の内容が気になり、尋ねてみた。
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