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「いいか!! このくらいの陣形は必要最低限覚えろよ。では次、ネルナ!! 敵に囲まれた時の有効な方法を答えろ」
「はい、敵に囲まれた時は―――」
あのホロット村の任務から一ヶ月の時が流れていた。普通の魔法学校や、剣術学園とは違い、俺達は学生といってもアズラエル騎士団の直属の騎士候補生。休みは二週間に一回で、毎日毎日厳しい訓練や戦術のお勉強に汗を流していた。
あの任務のことを学校側に話すと、申し訳なさそうに謝る学校長やよく生きてたと感心する先生等、反応は様々だ。
ただ魔族のことは話していない。想定外のことについては、任務上常に考えておかねばならないし、なによりそんな大物が現れたと知ったらかなり荒れることになると思う。それにあの場には、将軍もいたわけだから、なんとかなるだろう。
その為、俺は敢えて魔族のことについては隠した、というわけだ。
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