アズラエル騎士団育成学校

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始まりを告げる爽やかな風が吹き抜け、周りの木々には出会いと別れを見守るピンク色の花が咲き誇る季節。 そんな木々に囲まれた校舎に貼り出されている大きな紙を見つめてわいわいがやがや騒いでる人達。 今日はここ、アズラエル騎士団育成学校の入校式なんだ。 勿論、俺もその中の一人。 「さーて俺のクラスは、と。あったあった、1-Fか」 この学校は4年制の育成学校であり1学年A~Fの6クラスで1クラスは30人。 クラスも確認したことだし、そろそろ行くか。 「よう。こっちに向かってるてことはお前もF組だよな? 俺ディリー・ブラメルてんだ。よろしくな」 一人歩く俺に話し掛けてきたのは、茶髪のオールバックがよく似合い、ニカッと笑った顔が好印象の男子。 「ああ、よろしく」 「よろしくな。つかさ、お前も名前教えてくれよ」 それもそうだな。 「ああ、そうだったな。俺シン・オルターナてい―――」 と、ここまで言いかけた時 「オルターナ!? お前ひょっとして、ブライト・オルターナ将軍の息子か?」 うん、予想通りの反応だ。 まあ、そりゃそうだろな。俺の父親は、このアズラエル騎士団の軍を率いることができる“将軍”の称号を持つ数少ない人物なのだから。 ま、この反応は何万回と体験してきたから別に気にしないけど。 「ああ、そのオルターナだよ。でも普通にしてくれていいよ。そんな目で見られるの好きじゃないんだ」 「そ、そうか。いやぁでも驚いた! お前がオルターナ将軍の息子だったなんて。でもあんま似てないよな」 「はは、よくいわれるよ」 そんな感じで初対面ながらも打ち解けあった俺達は教室へと入っていった。
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