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死ぬ、という言葉はすぐには思いうかばなかった。なんだか不思議な感じで軽やかだった。
それでも香緒里のことを忘れることはできない。魂はどこかの空中で揺らいだ。
白い雲の切れ間から鮮やかな光に乗って綺麗な女性が降りてくる。さもそれが日常かのように僕は受け入れてしまった。その女性が美しかったから?死という非日常を味わったから?いや、理由などいらないし、ないのだろう。それが絶対の権威を秘めているのは確実だった。
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