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僕「あなたは…女神…様?」
女神「人々はそう呼びます。みんな死んだ人ですけど」
僕「死にたくない。僕、死にたくないんです。死ぬなんて…いやだ!」
女神「認めなさい。認めたくないのは、みんな同じ。でもいずれは慣れます」
僕「死ねないよ。香緒里を置いて死にたくない!!僕は…」
女神「なんですか?」
僕「僕は香緒里と結婚を…プロポーズしようと思ってた。わがままと言えばそれまでだけど、でも…生きたい!」
女神「精霊とはいえ、私も女…ここまで愛される彼女はきっと二人の生活を幸せに感じていたでしょう。そして、今あなたは『死にたくない』と言いましたね。特例中の特例ですが、よく聞いていてください」
僕「はい」
女神「あなたを下界に返します。ただし、あなたは不可視、そして彼女を守る目的以外で人間に触れることは許しません。破れば彼女も死にますよ。いいですね?」
僕「彼女を守ることができる、彼女のためなら…ありがとうございます」
女神「では行きなさい。この特例は私のわがままです」
天界を後にして、僕は地上に戻った。
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