3人が本棚に入れています
本棚に追加
私の意識は落ちていて
あまりにも眩しいので、ここが天国かと勘違いしてしまった。
しっかりと目を醒ますと、それは晴れた空だと認識できた。
「大丈夫・・・ですか?」
私は、身体を起こす。
声のする方を見れば、そこには私とさほど変わらない歳の少年がいた。
「どうして助けたんですか?」
「自殺は・・・・・・良くない・・・です」
「どうして?」
「君も、僕も・・・世界で生きているから」
少年は、左腕に包帯を巻いていた。
きっと私を助けた時に怪我をしたんだろう。
どうしてそこまでして助けてくれるんだろう。
こんな・・・
「価値もない私なのに・・・」
言ったら少年は私をぎゅう、と抱き締めた。
少年は震えた声で私に言う。
「そんなこと・・・言わないで・・・・・・」
はじめてだった。
こんな私に優しくしてくれたのは。
「君は・・・生きなきゃダメだ・・・・・・」
私の頬を、涙が伝った。
.
最初のコメントを投稿しよう!