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しばらく「話しかけるな」というオーラを出しつつ歩く。
南之さんは私のほうをチラリと見てはまた地面を見て、の繰り返しだった。
数分そうしていると、遂に耐えきれなくなった南之さんが口を開いた。
「あの・・・なんで飛込もうとしたんですか?」
慌てるように「嫌だったら答えなくてもいいんですけど」と付け加える。
私はうつ向いて首を横に振った。
「あっ・・・ご、ごめん・・・言いたく無いよね、僕なんかには・・・」
寂しそうな目をする彼を見たら、少し、罪悪感が湧いた。
「別に・・・南之さんは、凄くいい人だと思います。私の事を助けてくれたし」
でも、まだ信じられないんです。
という囁きは、心に仕舞った。
「あはは。ありがとう。そう言われると、僕も救われます」
本当に素直な人だ。
私とは、大違い。
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