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「うわぁぁぁぁー!」
夢にうなされ僕は飛び起きた。
心臓が早鐘のように高なっている。
「なんだよ…今の…」
額にはグッショリと冷や汗をかいていた。
「はあはあ…」
息も荒くなっている。
僕はフーッとため息をついた。
少しの間呆然としていたが夢とわかると徐々に落ち着きを取り戻してきていた。
ふと右手に握られている携帯に気づく。
液晶画面には『スーパーカカシ』の画面が表示されていた。
「こんなものあるからあんな夢を見るんだ…」
僕はメニュー画面にすると削除ボタンに指をかける。
どうしようか迷っていた時だった。
プルル…
突然携帯の呼び出し音が鳴った。
僕はビクッと体を強ばらせる。
プルル…
なおも呼び出し音が部屋に鳴り響いている。
僕は液晶を確認する。
「なんでだよ…」
『スーパーカカシ…』
鳴り響いた電話の相手はあり得ない文字を浮かび上がらせていた。
「なんで向こうからかかってくるんだよ!」
僕は叫んでいた。
プルル…
なおも着信音が部屋に鳴り響く。
しばらくの間画面を見つめていたが震える手で着信ボタンに指をかけた。
「も、もしもし…」
「こんばんはー。こちら庵さんの携帯で良かったでしょうかー?」
その電話口の女性は無機質で明るい声を発していた。
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