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「でも…」
僕はヤマセの言葉の意味を頭の中で整理する。
「魂は人が死んだら無に帰るんじゃないんですか?」
「それは違うのです…ヒトが死んでも魂はすぐに生まれ変わるわけではないのです。魂は6日間この世にとどまると言われています。」
「6日間…」
「そうです。その間に我が社に連絡をいただければ魂の変換は可能になります。」
「遺体が焼かれてもですか?」
「はい…例え肉体が焼かれたり破壊されていても少しの形跡が残っている限り魂の変換は可能になります。」
「万能なんですね…」
「いや一概には言えません。今回タチバナ様の一件はたまたま魂の変換が成功いたしましたが100%成功するわけではないのです。」
「失敗もありえるという事ですか…」
「はい…」
そこまで話すと事務所の奥の扉が開いた。
社長とタチバナが話しながら出てくる所だった。
彼女は両腕に大事そうにアカチャンを抱えている。
「それでは今後も我が社に起こし下さい。」
「わかりました。代金の方は振り込ましていただきます。」
「わかりました。では良いセイカツを。」
「よいセイカツを。」
ヤマセも一緒に頭を下げた。
それを見て僕も慌てて頭を下げる。
タチバナと言われた女性は深く頭をさげ出口から出て行った。
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