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次の日にわかに学校はさわがしかった。
いつも通りに席に着くとアキラが駆け寄ってくる。
「おい庵、もう聞いたか?」
「何をだよ?」
「なんだまだ知らないのかー。こんなビッグニュースなのにー。」
アキラは頭を抱えておどける。
「いいから早く言えよ!」
僕はイライラしてアキラを急かせた。
一転アキラはマジメな顔をする。
「実はな…今日新しい担任が来るんだってよ。」
「はぁ?そんだけでこの騒ぎなのか?」
「バカやろう!そんだけってなんだよ。新しい担任が来るんだぞ、こんなイベントめったに無いじゃないか。」
「前までタクちゃんの事、思い出すだけで涙出るとか言って騒いでたのに。お前って二重人格なんじゃね。」
痛いところをつかれたのかアキラは少しうつむいてしまう。
「そりゃあタクちゃんの事を思い出すと辛くなるけどさ…でもそれとこれとは話しは別だろ。」
「いや…今頃タクちゃんこの辺で怒ってるんじゃないか?」
僕は手をひらひらさせてアキラの前でおどけて見せた。
「バカ!止めろよ!俺そんなの苦手って知ってるだろ!」
「けど魂って本当にあるんだってさ。今頃タクちゃんの魂もそこらをさまよってるんじゃないか?」
「馬鹿にすんな!そんな事あるはずないだろ!もうお前とは口を聞かねーからな!」
アキラは訝しげな顔をしながら他のクラスメートの所へと歩いていった。
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