タクちゃん

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次の日の朝、教室内はいつもより騒然としていた。 「タクちゃん死んだらしいよ。」 「誰かに殺されたんだって…」 「タクちゃんの死体が安置所から無くなったらしいよ。」 いろいろな噂が教室のあちらこちらから聞こえてくる。 大半の女子が下を向いて泣いている。 僕はスルリとその脇をすり抜けて自分の席へと向かっていった。 席につくといつもの様にアキラが僕目掛けて走って来るのが見えた。 「おい、庵。タクちゃんの事ですごいことがわかったぞ。」 「殺されたとか死体が無くなったとか言うんじゃないだろうな。」 「なんだ知ってたのかよ。教室中そんな噂で持ちきりなんだよ。」 「くだらない…」 僕は呟いた。 「くだらなくなんかない。昨日だってそんな噂話がホントになっただろ。よく言うだろ、嘘から出た誠って…」 「くだらないよ…たまたま当たっただけだろ。」 「お前ってホントひねくれてるよなー。なんか大人びてるっていうか、俺らを馬鹿にした感じがする。」 「しょうがないだろ、こういう性格なんだから。」 「そういう所がひねくれてるっていうんだよ。その内友達無くすぞ。」 アキラは他のクラスメートの所へ走って行ってしまった。
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