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「はぁあああああ!!」
秋姉は気合いの入った声を上げると再び突っ込んでいく。……いつになったら終わるんだろう。何でもありなのは分かった。だけどいい加減終わりにしてほしい。どうすれば終わる?アイツを成仏させれば?
「…………いや、無理だろ。」
俺はお経を唱えられるわけでも、某霊媒教師みたいな鬼の手なんかを持ってるわけでもない。つまりどうにも出来ない。
……ハァ、とりあえず必殺技でも出してもらって一瞬でケリをつけてもらおう。ていうかそれしか方法が考え付かん。この空間じゃ常識なんぞとうの昔に蒸発してる。
「秋姉!何か必殺技とかないのか!?一発で終わりに出来そうなやつ!」
「え?必殺技……んー、あれが出来ればなんとかなるかもー!」
「あれ?あれってなんだよ?」
「その名も……断・空・拳!!」
「…………すごい危ないネーミングだな。ギリギリだぞマジで。ていうか読み方は全く同じというね。」
「細かいことは気にしない!じゃあ和樹、コマンド入力よろしく!」
「へいへい……って、ハァッ!?コマンド入力!?何それ!?」
「上・下・上・B・A・右・左・A・右の順番で5秒以内に入力すれば出せるから!」
「意味が分からない!!入力ってどこにしろと!?」
「心の中の台に入力するんだよ!」
「心の中の台ってなんだぁぁぁ!!?えぇい、もうどうにでもなれ!!えぇと、上・下……」
「上・下・上・B・A・右・左・A・右の順番ね!あと入力始めてから5秒以内じゃないと無効になるから!」
「えぇー……」
そんな無茶な……でもアイツを倒すには、コマンド入力しないと駄目なら仕方がない!そんなわけで秋姉が幽霊と肉弾戦(?)をしている間に、俺は必死にコマンド入力を行い続け……そして!
「よし……出来た!出来たぞ秋姉!!コマンド入力完了だ!」
「よっしゃああああ!ひぃぃぃぃさっつ!!シャイニング○ィンガー!!!」
「…………え?」
その叫びを聞いて呆然とした俺を置いて、秋姉は右手を悪霊の頭部に叩きつける。そしてその叩きつけた右手を一気に閉じた。
グシャッ
嫌な音がするのと同時に、突然バリバリバリと何かが割れていく音が全体に響いていく。そして……一際大きな破裂音がした瞬間、俺達は旅館のあの通路に戻っていた。
「……戻って……きた?」
「ふぅ、みたいだね。」
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