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「………………は?」
謎の空間に出た俺の第一声はそれだった。いや、なにこれ?てかどこよここ?マジでなんなの?ねぇ?バカなの?死ぬの?
とりあえず……意味不明ではあるが、目の前には秋姉の姿がある。ただ浴衣はボロボロで、身体も傷だらけになっている。
一方秋姉の正面にいるのは、秋姉曰く霊力が300GPあると言われていた悪霊がいる。コイツがボイラー室で死んだ女性作業員なのか?
呆然としていると、秋姉がハッとした顔でこっちを向いて……顔面蒼白なった。
「なっ!?か、和樹!?何でここに!?」
「…………すまん。全く話についていけないんだが。とりあえずここは何だ?」
「ここはコイツが生み出した亜空間。完全にアウェーなせいで思った以上に苦戦しちゃってさ!」
「……は、はは…………これは夢だ。」
「へ?」
「亜空間とか何?バカなの?そんなの現実にあるわけねぇだろ。てか、俺は普通に暮らしたいだけなのになんでこんなことに巻き込まれ……」
「…………和樹はそこでジッとしてて!すぐにカタをつける!!」
秋姉に言われるまでもない。というか出られるならさっさと出たい。何なんだこれ……涼宮ハ○ヒの憂鬱の長○vs朝○戦か?アハハー、馬鹿じゃねぇの?あんなの小説の世界の話だろ!?ここは現実!宇宙人も未来人も超能力者もいないんだよ!!少なくとも俺の周りには!!
…………いや、生けるバグならいるけどさ。ある意味超能力者なのか?いや、違うか。
そんなことをブツブツ呟いていると、遠いのか近いのかよく分からないところから激しく拳を叩きつける音が聴こえてきた。しかしそれはすぐ止んで、「キャッ!」という秋姉の悲鳴と共に轟音が響き渡る。
俺はちょっとだけその轟音のした方を見ると、モウモウと煙が上がっているのが見えた。だが見えない。そう、あり得ない。これは夢だ。夢なんだ!
必死に言い聞かせるが、いつまで経っても夢から醒める気配がない。念のため頬をつねってみると……痛い。何で痛いんだ?おかしいな。夢のはずなのに。
「くっ……!私が倒せないのはお師匠様だたけだと思ってたけど、これからは幽霊も加わるかもね!」
俺は何度も頬をつねりながら、轟音のした方を再び見ると秋姉が楽しそうな顔をして起き上がっているところだった。……あぁ、そういうことか。もう何でもありってわけだ。あぁコンチクショウ。
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