それはある日突然に

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「本当に本当です。母さんがいなくなったことがどれだけ大変なことかはもう充分堪能しましたから。さっきも言いましたけど、春恵さんみたいな綺麗な人が母になってくださるのなら大歓迎です。それに優しそうですしね、断る理由はありませんよ。」 俺はきっちりとそう断言した。尚樹も同意見らしく、特に何も言わずに頷く。 ここまで言ってやっと春恵さんの顔から不安の色が消えて安堵の色が灯ると、親父の背後からまた姿を現す。 「あぁ…私、受け入れてもらえたんですね。拒絶されることも覚悟してましたから…はぅぅ、ホッとしたら力が……」 そう言うと床に座りこんでしまった春恵さんを親父が支える。 「あぁ、俺もホッとしたよ。よく頑張ったな春恵!」 ……なんか今の言葉だけ聞くと出産に成功した妻に語りかけているように聞こえるな。 それにしても……ホントにこの人39なのか? 俺は改めて春恵さんを見つめてみるが……うーん、どう見ても年齢詐称しているとしか思えんな。 そんな俺の視線に気付いたのか、春恵さんは顔を赤くすると俯いた。 「か、和樹君?あんまり見つめられると恥ずかしいデス……//」 「えっ!?あ、す、すいません!」 急いで顔を反対側に向けるが……あ~、顔が熱いぞチクショウめ。
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