それはある日突然に

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とりあえずなんで俺が春恵さんの言った年齢が信じられないのかというと…… まず嫌でも目につくのスイカの様な大きさの胸。それから顔は童顔で、身長は155か160ぐらい。シワだとかそういうものは全く見当たらない。もし制服着て、学校に入ってきたら間違いなく生徒だと思われるだろう。しかもさっきのような小動物の雰囲気までかもし出しいるもんだから尚更だ。もうすぐアラフォーの人間が小動物のような雰囲気をかもし出す……多分この人だけなんじゃなかろうか? さっき春恵さんの挨拶に反応できなかったのも、「……ひょっとしてそれは冗談で言っているのか?」と思っていたからだった。まぁ次の言葉でこの人は母親だということを実感することになるのだが。 「あ、そうだ!今外に娘達を待たせてるんです。折角だから、会ってみません?後で嫌でも顔を合わせることになるんだし♪」 春恵さんは大分楽になったようで、もう自分の足で立っていた。まぁ…外に待たせてるならついでにってことでいいか。 「じゃあ、お願いします。」 「はい!それじゃ少し待ってて下さい。」 気分がいいからか、鼻歌を歌いながら春恵さんは玄関の外へ姿を消した。それを見送ってから俺はゆっくりと親父の方に身体向けると、そのまま歩み始める。 「父さんちょっといいかな?」 「ん?どうした和樹?まさか今更嫌だとか言うんじゃ……」 「……そんなんじゃないよ。」 そう、そんなことじゃなくて俺は親父にどうしても言いたいことがあった。
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