それはある日突然に

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親父の前に立ってから俺は拳を作って、それを構える。 「な、和樹何を!?」 「……父さん!」 拳は親父の顔面へと伸び、直撃…………する寸前で止めると、親指を立てて俺はしっかり伝えた。 「グッジョブだ☆」 「ありがとう愚息よ★」 親父から俺は感謝の言葉と鉄拳をいただきました。…いや、鉄拳はいらないよね? 「お待たせしましたー……って和樹君どうしたんですかその頬!?」 「あぁ、お気になさらず。調子に乗った馬鹿の末路ですから。」 「……すいません調子に乗りました。グフゥ」 「は、はぁ……じゃあ私の娘達を紹介しますね。ほらっ、早くしなさい!」 「はわっ!?ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が……」 「お姉ちゃん……リハーサルの時はドン引きするぐらいテンション高かったのに、本番でこれじゃ意味ないじゃん。」 「あれ~?そういう冬河だってなんか震えてない?そんな硬くならなくったってだ~いじょうぶだって。」 「なっ!?べ、別に硬くなんかなってにゃいでふ!」 「冬河……私より緊張してそうね。」 春恵さんが声を掛けたところから賑やかな声が聞こえ始める。聞こえた感じからして、どうやら三姉妹らしい。三姉妹か……一人ぐらい妹がいてほしいもんだが…… しばらくすると、出る順番を決める為かジャンケンをする声が聞こえ始めた。
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