それはある日突然に

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「やった勝った!」 「じゃあ夏紀が最初で、冬河が二番、私が最後ってことで。」 「えぇ!?勝ったのになんで一番なの!?」 「別に勝ったら最初にならないなんて一言も言ってないし~」 「うぅ~お姉ちゃんの馬鹿ぁ!」 お姉ちゃん策士だな……でも勝ったら最初になるとも言ってないから、要するにお姉ちゃんの都合で君が最初になったということは……多分気付いてないんだろうな。 そんなわけでやっと一人目が姿を現す。母親譲りの巨乳と、腰まで垂れているポニーテールが非常によく似合ってい…………ん? 「えっと…は、はじめまして!私の名前…は……」 俺は彼女を見て、彼女は俺を見て固まった。どこかで見たなこの子…………あ。 「「あぁーっ!!!」」 タイミングは一寸のズレもなく、俺と彼女は同時に指を指して同時に叫んだ。 「ど、どしたの夏紀!?」 「お姉ちゃん?」 その声に反応して飛び出してきた残りの姉妹を見て、俺はさらに声を上げる。 「んなっ!?きっ、君達も?!」 その二人は車に乗り込むときにこっちを見ていたあの女性達だった。そしてポニテ巨乳娘の方は、まさしくあの時暫く見つめあったあの娘!まさか時雨家の人だったとは…… 「いきなりお互いを指さして叫ぶなんて……二人とももう知り合ってたの?」 「ハハッ、だとしたらすごいな。もしかして角で衝突でもしてフラグを立てでもしたか?」 親父……自転車通学の俺がもし登校中にアニメみたいな勢いでぶつかってたら、彼女はここにいないと思うよ?一応フラグは立つけど、それは逮捕フラグだと思うんだ。うん。
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