夢かうつつか幻か…

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シクシクヒッシクシク… そこは真っ暗で何も無い無(む)の世界。 目の前には大きな扉 その扉の前に少女はいた。 立ったまま顔は手で覆われて見えない。 背は小学生3年生位。 龍「ねぇ、君。どうかしたのかい?」 少女「…うん。」 見上げた少女の顔は目を見張る程可憐だった。 眼には涙を一杯ためて。 龍「なんで泣いてるの?」 少女「あの扉が開かないの…。だから、帰れないの。ヒック」 少女が指差した扉は重くて頑丈そうなもので、鍵がいくつもはめられていた。 龍「そりゃ、子供だけの力じゃ無理だよ。」 少女「そっかぁ…ヒク」 龍「…よし!お兄ちゃんと二人で開けたら開くかもよ?」 少女「うん」 泣いていた少女はコクンとうなずくと嬉しそうに笑った。
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