01.私はデブ。

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ある日、私は体育の時間中に転んで腕をひねってしまった。 ものすごく痛くて、すぐに保健室へ向かった。 けど… 保健室の先生に 「はい、湿布するから腕まくってね」 そう言われてハッとした。 …こんな腕見せられない。 腕は日々繰り返すリストカットの痕でいっぱいだった。 どうしよう。 私がオドオドしている姿を見て、保健室の先生はそれを悟った。 「じゃあ先生は後ろを向いているから、その間に自分で貼りなさい」 そう言って先生はクルッと後ろを向いた。 私は先生の行動に戸惑いながらも、自分の腕に湿布を貼った。 「できました…」 小さな声でつぶやくと、先生はまたクルッと前を向いて笑顔で 「もう怪我しないように気を付けてね」 と言った。 こんな優しい言葉をかけてもらったのはいつぶりだろう? 私の目からは涙が溢れていた。 .
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