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船は港を離れ、そして見えなくなった。
冬の海は荒く、叩きつける風も冷たい。
金時計をポケットに納め、ベルトにチェーンを固定。
無くさないように、しっかりと。
今日は船内に一泊。
明日、十二月九日早朝に俺の新しい生活の場、初音島に到着する。
その後は風見学園へ向かい、保険医水越先生と学園長の芳乃先生に挨拶をして、教室へ案内してもらう。
んで放課後は、俺の身元引き受け人に面会して、挨拶、と。
大体のスケジュールを頭の中で整理。
先生曰く、頭は悪くないが、地理関係には逆方向に特化された残念仕様。
……て、喧しいわっ!
懇切丁寧にかかれた地図を便りに、今夜の宿となる部屋に到着。
所要時間五十六分也。
えーと、地図によると、五分もかからない位置のはずなのになぁ。
これだけ方向音痴だと、泣きたくなるぞ。
クスンクスン。
これから、俺はどうなるのかなぁ。
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