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残った3匹の熊鹿までは15メートル前後。
先の3匹は距離的に近かった為頭を狙って撃っていたが、残った3匹は頭を狙っても外れる可能性がある。
体を狙ってもいいが、あの巨体に数発入れた程度で倒せるか疑問だった。
頭を狙って確実に倒す為には距離を縮めなければいけない。
そうなると選択肢は3つ。
俺が近づくか、熊鹿が襲ってくるか。
どっちも御免被りたい。
俺は怖いから近づきたくもないし、襲われるのも嫌だ!
なので3つ目の選択肢、威嚇して追い払うを実行しようと考える。下手に当ててしまうと『手負いの獣』と云う言葉がある通り、怒り興奮し此方に突貫してきかねない。
慎重にグロックの照準を熊鹿達の足元に定めトリガーを引く。
グロックから発せられた乾いた発砲音と共に、弾は熊鹿達の足元に着弾する。
熊鹿達は驚いたように周りを見回し、リーダーなのだろうか1匹の熊鹿が一声鳴くと3匹は森の中へと引き返していった。
熊鹿達が見えなくなると緊張の糸が切れたように騒ぎ出す男達。
幸いにも重傷者は出なかったようで勝利の雄叫びなのだろうか両手を上げて騒ぐ者、他の男の肩を借り立ち上がり片手を上げ叫ぶ者、腰が抜けたのだろうかへたり込む者など様々だが全体的に男達の安堵の気持ちが伝わってきた。
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