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建物は木造のプレハブ位の大きさでちょっと広めの物置のような感じである。
もしかして今日はここに泊まっていいって事かな?
野宿を覚悟していたが物置だろうと寝床を用意されると云う事は、どうやらある程度は客として扱われているらしい。
女の子は建物のドアを開け俺を中に通すと手を離しテーブルに置かれたランプに火を灯している。
火が灯ると真っ暗だった室内が淡く色づき、広さは10畳程だろうか、テーブル・椅子やベッドに小さいながら台所が備えられている事に気付く。
物置だと思ったら普通の住居だったようで俺は自分の偏見に恥ずかしくなった。
俺の価値観では物置に見えるが、ここに住む先住民達にはこれが普通なのだろう。
これは自分がいかに恵まれた環境で育ったかと云うことで……
何となくバツが悪くなり女の子に顔を向けられなかった。
しかし、女の子はそんな俺の様子に気付いたのか気付かないのか笑顔で木製のコップに水を注いで手渡してくれる。
「ありがと」
コップを受け取り礼を言う。たとえ言葉が通じなくとも貰ったら礼を言うのは人として当然だと思う。
女の子もそんな俺の言葉より気持ちに気付いたようで笑顔で頷く。
あー、かわええのぅ。
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