おいでませ異世界

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椅子に座り水を飲む。 やはり酒を飲み時間が経つと喉が乾く、そこに水を出してくれる気遣いといったら……軽く惚れてしまいそうだ。 とりあえず寝るまでどうしようか考えていると、向かいに座ってテーブルに両肘をつき両掌で顎を支える形で頬杖をする女の子が目に入る。 自分の家に帰らないのかな?それともやっぱり彼女の家なのかな? 多分、後者だろうと結論づける。 部屋に入ってランプをつけ、水を容れてくれる手際は自宅のそれだろうと思えたからだ。 って事は、女の子の部屋に泊まるって事か!? 女の子の部屋に泊まったこと自体はある。 夕乃の部屋で酒を飲んでそのまま酔い潰れ2人で床に大の字で寝ていたり、夕乃はベッドで俺はソファーなど主に相手は夕乃なのだが今回は違う。 今日初めて、しかも宴席で隣に着いてくれただけの名前も知らない女の子なのだ。 この部屋にベッドは1つなのだから一緒に寝るのは有り得ないだろう、彼女がベッドで俺は床だな。 いやいや、意外と2人でベッドとか……いやいやいやなどと妄想に入っている俺に女の子は何を思ったのか自分を指差し 「ステージア、ステージア」と言っている。 俺は妄想から戻り考えおそらく名前なのだろうと気付く。
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