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画面には『1P WIN』の文字、開始10秒で俺は敗北を喫する。
「今日は負けないとか言ってなかったっけ?」
口元に手を当て半笑いを浮かべる夕乃。
「おま!もし勝ったらその乳揉むからな!わっしわっし揉んでやるからな!」
軽く青筋を浮かべエロい事を宣言する俺だが、余裕の表情を浮かべたままの夕乃。
「勝てたらね」
ああ!その余裕がムカつく!
見とけよ…エロが賭かったときの俺の強さを!!
やはり勝てませんでした……
何であんなに上手く投げられるんだよ。コマンド入れてる指の動きとか正直見えなかったぞ。
時計を見れば23時をすぎた頃。
「そろそろ帰ろうかな」
立ち上がった夕乃。結局戦績は25戦21敗と俺の惨敗。
敗率を8割に上げてしまう結果となった。
「おう」
心を折られ短く返事を1つすると、夕乃を送り出す為2人で玄関に向かう。
靴を履き玄関を開ければ、外には見慣れた丸いフォルムの軽自動車が止まっていた。
「おやすみ、またね~」
手を振り車に乗り込む夕乃。
「おう、気付けてな」
言葉短く見送るいつもの光景。
ブレーキランプを数度点滅させ夕乃は帰宅の途についた。
愛してるのサインってか……ありえねぇな。
車が出たのを確認し芹耶は玄関の鍵を閉め部屋に戻ると押し入れの中のプラ箪笥から着替えを取り出し風呂に入り寝ることにした。
「いつになったら勝ち抜けてあの乳揉めるのやら…」
いつもと変わらぬ平穏な日常だった。
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