―序曲―

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…――同日のPM7:35。 とある一軒家の二階。 少年は自室の椅子に座り、PCに向かっていた。 耳にはヘッドフォンを着け、先程PCでダウンロードしたばかりの曲を最大音量で聞いている。 コンコン ……コンコン 少年の母親がドアをノックしているが、当然聞こえる筈も無い。 廊下では業を煮やした母親が、ドアに向かって『入るわよ!?』と叫ぶ。 ガチャッ 部屋に入ると、未だ母親の入室に気付いていない少年がドアに背を向ける形でPCに向かってリズムを取り続けていた…。 母親は大きな溜め息を一つついた後、少年に歩み寄りヘッドフォンを力任せに奪い取る。 「――!!?」 少年は突然の出来事に驚き、振り向いた。 「返事ぐらいしたらどぉ…!?」 母親が少年に向かって怒鳴る。 「…っにすんだよくそババァ!!返せよっっ!!」 少年は母親の手にあるヘッドフォンを無理矢理奪い返し、再び耳へと戻そうとした……が。 「いい加減にしなさい!!!」 バシッッ 少年の行動を制す様に母親はヘッドフォンを床へと叩き落とす。
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