うたかた～utakata～

１８

顔を洗い終わり洗面所から出てくると、ママがテーブルに食事を並べている所だった。

「朝昼ご飯ね」

トーストにコーヒーにハムエッグ。

綺麗に並べながらママが笑う。

「ほら席について」
私はママに小さく礼をしながら席についた。

「はい、手をあわせていただきます」

ママは豪快にパチンと手をあわせると冗談ぽくそう言う。

私は笑いながらそれに従った。

「飛行機時間までまだ間があるわよね。紗季ちゃんはどうするの？」

そう聞かれて私はちょっと悩んでしまう。

実はなにも考えてはいなかったから。