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ママが食器を洗い、私がそれを拭く。
そんな作業が何回か続いただろうか。
「愛する事で人生壊してしまうとか。
イクミはちょっと臆病になってるの」
そう言いながらママはぽんと皿を手渡す。
「え…」
「愛していたらどんな困難でも乗り越えられる。そんな事は百%あるとは言えない。
だけど、本当に欲しいなら、愛するなら、彼の人生を彼女が背負い込むじゃないの。
並んでただそばにいる。
それだけで良いと思うのよね」
全部の食器を洗い終わり、両手を拭きながらママは真面目な顔を私に向けた。
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