18

13/25
前へ
/536ページ
次へ
私は荷物をとると最後に後ろを振り向く。 青一色の空のキャンバス。 私はそれに手のひらを広げ、携帯をむける。 静かな会場にシャッター音が響いた。 私はそれをメールにのせ、イクミにこう書き示す。 『思い出をくれて、ありがとう』 そのメールを送信すると、私は携帯をパチンとしめる。 届いてほしい。 私は彼に救われたこと。 イクミにちゃんと届いてほしい。 そう思いながら、私はビルを後にした。
/536ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9556人が本棚に入れています
本棚に追加