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タクシーに乗り込み私は駅に向かう。
窓から見える東京の街並みは昨日と変わらない。
昨日と違うのは、座席の横にイクミがいない。
私の手はもう繋がれてはいない。
それでも。
私は胸のネックレスをぎゅっと握りしめて目を閉じる。
イクミはここにいる。
私の胸に。
私の心に。
例え想いは伝わらなくとも、私の心すべてに彼がいる。
…おかしいな。
フラれたはずなのに。
そんな気持ちをもてることに幸せを感じる。
そう。
私は本当に幸せだった。
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