変化

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「夜兎……君の居場所だ…」 非難場所… そう目を閉じて胸に手を当てて呟いた時 カリカリと扉をかじる音がした 開いてみればそこには… 「……クロ…?」 ニャーと見上げて鳴く黒猫がいた まるで待ってたと言わんばかりにスルリと入って来た 「……。」 一目散にベッドへと飛び乗りくつろぐ黒猫 オレですら座ってないのに… そう思ったけど、なんだか笑ってしまった 「お前は初めての来客だ。」 そう丸まった背中を撫でた グルグルと喉を鳴らす猫に笑みを深め、ベッドに腰を下ろした 初めて会ったオレに懐いた黒猫は 月兎で有るオレの初めての友人になった 「変な奴だな…お前は…」 そう独り言を言えば顔を上げオレの片足に頭を乗せた 枕代わりの様に乗せた頭がこそばゆい 動物が癒しになるのは確かみたいだな… 《貴方ハ優シイ匂イ、スル》 そんな風に思った時、低すぎない低音の声がした 「……クロ…?」 確かめる様に手を止めて猫を見る 《ハイ、ナンデスカ?》 顔を上げた猫から声は確かに聞こえた 突然聞こえだした声は…クロだった  
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