友達

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教室に入れば何やら居辛い雰囲気が流れていた 「なんだ…?」 必ず向けてくれた挨拶がない 賑やかさは変わらないのに、みんなの視線が此方に向かない 「なんかみんな変だね…」 あぁ… 夢から覚めたんだ…… そう何となく思った いつか覚める夢 幸せは続かない 解っていたけど やっぱり有ったものが無くなるとダメージはデカいな… 「……大丈夫だよ、きっと。」 対象は俺 俺が側に居なければ二人は大丈夫… 俺はそう直感して呟いた 「……夜兎?」 「何が大丈夫なの?」 二人は解らないと表情が言っていた だから俺は二人から少し離れる様に後ろへ下がり 二人を見た 「すぐ解るよ、噂が流れるのは早いから。」 きっとこの時の俺は笑えてなかったと思う 友達と呼べた二人がいなくなると解っていたから… 噂はいつも俺の身に覚えがない内容ばかりで 噂が更に着色されて流れて 俺は異人の様な人間になっていた 前の学校も笑える様な有り得ない様なものばかりだったな… 「や…と……?」 心配そうな表情を浮かべてる きっともっと歪むんだろうな…… 何て場違いな事考えていたら チャイムが鳴った 俺達は変な雰囲気を無理矢理打ち消して席へと向かった  
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