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朝息苦しさに目が覚めれば
目の前には猫
シマとユキとクックが腹の上や足、ついでに首もとにまで丸まって寝ていた
正直言えば暑い
「……退いてくれないか…?」
小さく呟けば目を開けるシマ達
渋々な感じとは言え素直に退いてくれた事に感謝しつつ
時間を見ればまた遅刻だ
昨日よりはまし
今は7時半だから2時限目には間に合いそうだ
Yシャツに腕を通し、ズボンを着用して
取り敢えず下に下りてみたら
「あっ!おはよう月兎君っ」
なんとも嬉しそうな山岸がいた…
スーツをキッチリ着こなしている
黙っていれば悪くない顔付きだと言うのに…
「あんた仕事は?」
「8時前に出れば間に合うんだ。」
「…そ。」
自分から聞いたワリには反応が薄い事に不満を持ったのか
少し落ち込む相手にため息をついた
「あ、オレ仕事するから。」
一応居候だしその意思だけは伝えとこうと思い何気なく言えば固まる山岸
「……なに。」
あからさまな態度に眉間に皺を寄せて睨めばブンブンと首を振った
「しっかり者だとは思ったけど、大変な時に凄いなって。」
偉い偉いとにっこりと笑った相手に軽くイラつき
オレはまたため息を吐いて何も言わずに自室へと向かう
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