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「酷い事してごめんな……“夜兎”…」
名前を呼んだ…
(…な…ま…え…)
求めるなっ
また裏切られるんだ
名前を呼ばれただけなんだ
ただ夜兎の名前を
(誰も呼んでくれない名前…)
オレが呼んでやるからっ
(俺の……名前…)
オレがずっと側に居てやるから…っ
(……また呼んでくれるの…?)
だから求めるなよっ!!
まだお前の居場所作ってないんだ
まだお前の安らげる場所が無いんだ
だから…っ
(ありがとう…)
「駄目だっ!!!!」
俺は揺らぐ視界をどうにも出来なかった
ただ胸元を強く握り締めて
ただ痛む胸を
出来もしない高鳴る鼓動を抑える様に
ただ
目の前に居る西浦をこれ以上無いぐらい睨み付けて
オレは記憶を飛ばした…
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