表裏

1/26
前へ
/295ページ
次へ

表裏

どうして俺教室に居るんだろう? さっきまで裏庭に居た筈なのに どうして服が乾いてるんだろう? さっきまで雨に打たれていたのに… どうして…? 「……夜兎…か?」 「っ!!」 俺の…名前 「また……呼んでくれ…るの?」 「え…?」 もう誰も呼んでなんてくれないと思ってたのにっ 「あ…その、俺お前に謝りたくて…」 どうして? 貴方は何もしてないのに… 「何も悪い事してない…貴方は何もしてない…。」 「したよ、夜兎を傷付けた…」 傷付けた…? 俺が嫌われる事したからだよ、悪いなんて事何もないのに 「しちゃいけない事…したから…、俺はお前を傷付けるなんて事しちゃいけなかったのにっ」 「何もしてないっ」 言葉の大切さを教えてくれた 笑顔を教えてくれた 涙を流す大切さを教えてくれた 感情を教えてくれた なによりも… 「幸せをくれた、一時でも俺は一生分の幸せを貰った…だから何も悪くなんてないんだよっ」 それを仇で返してしまったけど 沢山迷惑を掛けてしまったけど 「生きてて良かったなんて思うなんて思わなかった…思わせてくれたのは貴方達だよ…っ」 名前を呼べないのがこんなに辛いなんて今まで知らなかった 名前を呼ばれないのがこんなに辛いなんて今まで知らなかった  
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加