表裏

6/26
前へ
/295ページ
次へ
「よく聞け必要な事だけ言っておく、オレは月兎で夜兎だ。」 「え?」 顔を上げてオレを見る山岸 言い直してる暇はないからオレは続けた 「ある事情でオレは産まれた、理由は夜兎に聞け。」 オレが話して良い事じゃない 夜兎が話しても良いと思った時に、山岸を信頼してから初めて伝えても良い様な内容だから 「オレの時の記憶は夜兎にない、出来るだけ混乱させる事は言うな。」 「じゃあ月兎君は夜兎君の時の記憶は有るんだね?」 流石だな山岸… 理解力が有る奴との会話は助かる 「そうだ、夜兎を助けたい…だから夜兎の時でもお前の家に置いてやってほしい。」 真っ直ぐ山岸を見てオレは言った 此処で断られたら困るんだ 「良いよ、月兎君のお願いなら聞いてあげる。」 「助か…る…」 肩の力を抜いた途端オレの視界が揺らいだ くそ、時間か…っ 身体がフラつく、もう… 「月兎君っ?!」 「今は……お前だけがた…より……」 オレの意識は夜兎の中に引き込まれた 視界はただ暗い闇に…  
/295ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加