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階段を登り、山岸さんに扉を開けてもらう
中を見れば広いオフィス
黒い長いソファが長机を挟んで並べられ
右の壁際には本棚に仕舞われた沢山の本と
窓際には一人用の椅子と机
その上にはパソコンと立てられた数冊のファイルと本
そのファイル達で机の上は少し乱雑としていた
「ごめんね、少し散らかってるけど我慢してね。」
そうニッコリと笑われる
山岸さんに対して頷けば、俺と誠は誘われるがままソファに腰を下ろした
「山岸さんって弁護士ですか?」
周りを見渡して誠が声を発する
確かに本の内容を見れば一目瞭然だった
弁護士って凄い堅くて知的なイメージが有ったけど、山岸さんを見てるとそんな感じはしなかった
「一応ね、これでも生活に困らない程度には頼られてるんだよー。」
彼の和やかな雰囲気は、きっと切羽詰まった人に安らぎを与えてくれるんだろうなと思った
実際俺は肩の力が抜けている
初対面で名前しか解らないのに
でも俺は山岸さんと何処かで会っている
いや…初めて会った気がしないってのが正しいのかな
「あ、お茶飲む?」
そんな山岸さんの言葉に狼狽えながらも頷いた
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